樹木を活かした快適な庭づくり 1

 

ここちよい庭をつくりましょう 

42-15641358 人にとってその空間が居心地よいかどうかは非常に重要なことです。特に庭は屋外のため、外部のさまざまな環境からダイレクトに影響を受けますので、ここちよい空間、楽しめる空間にするには、いろいろな工夫が必要です。

 樹木をうまく使うことで、庭という空間が住まいや住む人にさまざまな効用をもたらします。ここではごく一部を紹介しますが、現場によってその置かれた環境や立地条件などはマチマチでしょう。現場の環境や諸条件をよく観察して、樹木の機能性や特性を充分に活かした心地よい庭づくりをめざしましょう。

微気候の調整

 

 1 陽ざしのコントロール

sunshine ここちよい庭にとって、陽射しのコントロールはとても大きな要素です。特に夏の強すぎる陽射しは人だけでなく植物にとっても苦手なものです。庭の立地や住居との関係を考えながら、樹木を使って陽射しをうまくコントロールしましょう。

 特に中高木の「落葉広葉樹」は、夏は葉が茂るので強すぎる陽射しを遮り、冬は逆に葉が落ちるのでやわらかな陽射しを取り入れることができるスグレモノです。

 また、パーゴラなどの構造物では季節による調節が難しくなりますが、これに「落葉性のツル植物」を絡ませることで樹木と同じ効果を期待できます。

 

2 風のコントロール

風の調整 やわらかな自然の風は実に心地よいものですが、強すぎる風や砂ぼこりが舞いこむのは不快ですし、また、風の通らない庭は植物にも人にも不健全なものです。

 樹木や構造物の配置等を工夫することで、外を素通りしてしまう風を住まいへ招き入れたり、逆に強すぎる風を樹木の枝葉で攪拌し、直接吹き込むのをやわらげたりできます。

 また、中庭など風通しの悪い空間は、塀に予め風穴を設けるなど、できるだけ風が通るような工夫をすると良いでしょう。

 

3 温度のコントロール 

植物 温度は陽射しの影響を強く受けますが、植物の機能を利用することで温度を調節し、夏涼しく、冬温かく過ごせます。そのしくみは、直接的には植物のもつ「水分の蒸散作用」によって空気が冷却されるというものです。ある試算では、熱量換算で4㎡の芝生地がエアコン1台12時間分の冷却効果と同じと言われています。

 特に建物のそばに「落葉広葉樹」があると効果的で、真夏の温度コントロールができます。あるいは、壁面やパネル、パーゴラ等に「落葉性ツタ類」をからませても同様の効果が得られるでしょう。 

 

 
香りの植物4 香りを楽しむ 

 あなたにとっての心地よい香り、また思い出の香りは何ですか?

 香りは五感の中でも特に強く反応しますので、好きな香りや想い出の香りを嗅ぐことで癒しの効果も高くなります。

 植物には無臭というものはなく、花木やハーブ類など多彩な香りがあります。また庭には植物以外にも四季折々さまざまな香りが楽しめます。

 

 

音を愉しむ5 音をコントロールし、楽しむ。 

 住まいには、周辺環境によりさまざまな雑音や不快音、あるいは騒音が入り込んできます。でも、不快な音が樹木の幹や枝、葉に乱反射して拡散したり、また、心地よい音でマスキングしたりすることができます。

 庭にとって音という要素は大切で、葉ずれの音や小鳥の声、水の音など自然が発する心地よい音を楽しむことで、庭が何倍も楽しくなり、五感も大いに刺激され癒されます。 

 

 
植物の色彩6 色を愉しむ 

 色彩も心地よい庭をつくる大事な要素です。上手なカラーコーディネイトは、狭い所を広く見せたり、涼しげに感じさせたり、暖かくみせたりといった演出ができます。 でも、植物を使ってカラーコーディネイトをするのは意外と難しいものです。生き物であるためにさまざまに変化することと、花だけでなく葉や実や幹など「色」として観賞する部位もさまざまであること。そして同じ色でも花や葉の大きさ、形、質感等によって全く印象が変わってきますので、絵の具のように単純に色の組み合わせだけで決められないのです。

 建物やインテリアイメージとも調和させながら、同系色で穏やかな印象にしたり、補色の組み合わせでシャープな印象にしたり、季節ごとにテーマカラーを変えてみるのも愉しいでしょう。 また、特にポイントになるのは、「花色」だけでなく多彩な「葉色」の使い方です。カラーリーフと呼ばれるこれらの植物群は花とは違った印象の「色」として生かせます。「白花」とともに緩衝材として花と花のつなぎに使ったり、庭のアクセントに使ったりとさまざまです。いろいろ試してみて自分なりの組み合わせを見つけるのも庭の密かな愉しみかもしれません。 

 

味わう植物7 味わう悦び 

 幼いころ、野山や庭で味わった味覚の記憶はありませんか?

 遠い昔のことでも舌はその味を結構憶えているものです。郷愁を誘う想い出の果樹や好きな果樹、ハーブなど庭で気軽に楽しんで見ましょう。

 庭で楽しめる味わいの数々・・・収穫の豊かさは心の豊かさにつながります。

 

 

触感を愉しむ8 触れる面白さ 

 触覚についての好みやこだわりは人によって結構違うもので、その人の幼いころの原体験も大きく影響しているといわれます。自分にとって心地よい手触りの植物を植えるのも庭の楽しみの一つでしょう。

 ツルツル、カサカサ、ふわふわ、チクチク・・・時には植物に触れてみませんか? 

 

 

業務地域 : 大阪府南河内地域(下記以外は要相談)

羽曳野市、富田林市、太子町、河南町、藤井寺市、柏原市、松原市 

樹木を活かした快適な庭づくり 2

 

庭に深みや広がりをつくろう 

 庭では、人の「五感」に訴えるような素材や空間構成をするのですが、特に見た印象(視覚的要素)が重要で、その演出が居心地の良し悪しにも大きく関わってきます。

 包まれたような空間で安心感やくつろぎ感をつくったり、見晴らしのよい場所では開放感や活動意欲を高めたり・・・視線や動線をうまく誘導することで空間に強弱をつくり、深みや広がりを感じさせます。庭にはできるだけ「広がり」や「深み」を感じさせたいものです。

 庭では古くからの手法として、目の「錯覚」を利用して、庭という空間をさまざまに演出してきました。特に「樹木」という自然素材を用いることで、庭にさまざまな効果をつくりだせます。

 

1 樹木で空間に「広がり」をつくろう。 

trees 草花など背丈の低いものだけでは、立体感に乏しく単調になりがちで、また実際の広さ以上には広く感じにくいものです。

 背丈の高い樹木を用いることで空間の骨格を形成できますし、上下左右に枝葉が広がるので「広がり」を感じます。特に、人の背丈より高くて枝葉が四方に広がる「落葉広葉樹」を中心に庭を構成すると効果的でしょう。

 

やわらかく包む2 樹木で包まれている「安心感」を表現しよう。 

 空間を構造物だけで「囲う」と圧迫感や威圧感がでやすいものです。樹木を上手に使ってやわらかく囲うことで、圧迫感も少なく、独特の落ち着ける空間になります。手軽に安心感、くつろぎ感を演出できます。 

 

遠近感の強調 3 遠近法を利用して「奥行き感」を強調しよう。 

 目の錯覚を利用して遠近感を狂わせ、庭をより広く「奥行き感」のある空間にみせるには、伝統的にさまざまな手法があります。一般的には物の大小、先細り、曲線、蛇行、明暗、高低差などで遠近感を意図的に狂わせることができます。 

 これに植栽テクニックをうまく使うことで、さらに独特の奥行き感を表現できます。 例えば、近景に背の高い樹木や葉の大きな樹木を配し、奥へ行くほど低く小さな樹木にすることで遠近感を強調できます。また、明るい色は近くに迫って見え、暗い色は遠く離れて見えますので、これを花や葉の色を使って意図的に表現できます。 

 

区切る、仕切る4 空間を「区切る」ことで広くみせよう。 

 狭い庭でもあえて区切ることで広く感じることができます。ただし、向こう側の景色を全く遮断してしまうのではなく、向こう側の空間も見えるようにしましょう。樹木越しにチラチラと奥の空間が見え隠れすると、深みが増し非常に効果的です。 

 

隠す5 「隠す」ことで奥行き感を強調しよう。 

 人は遮蔽物があると、その先に何かがあるのではと期待感を持つようです。その先の空間を意識することで、結果として奥行きを感じます。アプローチなどの通路は曲げて手前に樹木を配置するとよいでしょう。奥を隠すことにより、実際よりもその先を奥行きあるものに意識できます。

 また、樹木で目線を切ったり、視界にフレームをつくることでうまく視線を誘導できます。見せたい部分を強調することで空間を引き締めます。 

 

目隠し6 「目隠し」でプライバシーを守ろう。 

 外部に開放された庭で居心地よく過ごすには、「目隠し」は重要な要素です。樹木を上手に使うことで、窮屈な感じもなくうまくプライバシ-が守れます。生垣など目的にあった目隠しで、のびのびとリラックスできる庭を演出しましょう。

 生垣は、通常、境界部分で人の視線を遮るには人の視線の高さがあれば充分でしょう(1.5-1.8m)。高すぎると圧迫感や日照を遮りますので注意が必要です。もし、隣家の上方(2~3階)から見下ろされる場合などには樹高を高くします。

 また、隣家の窓やトイレの窓、勝手口など部分的に目隠しをしたい場合には単独木による目隠しがおすすめです。もし、スペースがないときにはフェンス等にツル植物を絡ませてもよいでしょう。 

 

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リビング感覚で庭をつくろう

  

庭は「もうひとつの部屋」です

アウトドア・リビング 昨今、「アウトドアリビング」や「リビングガーデン」という言葉をよく耳にします。直訳すれば「戸外の部屋」ということですが、要するに、従来眺めることが主体であった住宅の庭を、屋外にある「もうひとつの部屋」として捉えて庭を積極的に「使っていこう」という発想で、今のガーデンの主流になっています。まるでインテリアが外に飛び出してきたかのように、庭も住み手のライフスタイルを表現する場に変わってきたといえます。

 では、どうすれば庭を居心地のよい「もうひとつの部屋」にできるのでしょうか?

 まず、インテリアの延長という視点、そして屋外環境やガーデンの素材のことを良く知ることが大切です。ガーデンらしい素材をうまく使いながら、「部屋」というひとつの空間をコーディネイトするつもりで、見え方や使い勝手、快適性などを考えながらつくってみましょう。工夫しだいで、安らぎや癒しを感じられる心地の良い「部屋」ができそうです・・・特に樹木の機能や特性をうまく活かすことが成功のポイントになるでしょう。 

庭を居心地のよい「部屋」にしよう!

 1 できるだけ「緑」を取り入れ、植物の「癒し効果」を活かそう。 

ガーデニング風景 植物には人の心身に働きかけるチカラがあります。人は身近にある植物と日常的に触れ合うことで、「五感」は絶えず刺激を受けます。例えば、情緒を安定させたり、高揚させたり、あるいは、疲労回復の促進や集中力の向上などさまざまな効果があります。

 また、実際に植物を育てる(ガーデニング)ことで、より多くの効用も得られます。これは、園芸療法やアロマセラピーなど、実際の治療行為等にも活用されています。

 五感をやさしく刺激してくれる植物たちを、求める刺激の強さを考えながら、庭のなかにうまく取り入れていきましょう。

 

2 囲いや目隠しで、「落ち着ける」部屋をつくろう。

囲い、目隠し  屋外ですから、外からの視線が気になると全く落ち着かないものです。フェンスや樹木(生垣など)を使って目隠しにしましょう。目隠しの素材や高さ、配置は、現場の状況や目隠しの程度によって変わってきます。逆に圧迫感が出ないよう注意しましょう。

 

3 家周りの微気候を調整して「快適な」部屋にしよう。 

微気候の調整 植物には環境の改善効果もありますので、適材適所でうまく活用するこ とで「部屋」の快適性を高めてくれます。陽射しや温度、風などをコントロールしたり、マイナスイオンやフィットンチッドを発散したり、有害物質を吸着して空気を浄化したりします。植物や構造物を効果的に用いて快適な環境整備をしましょう。 

 特に陽射しには高木の「落葉広葉樹」が有効です。また、パーゴラなどの構造物にツル性植物をからめても良いでしょう。 

 

4 庭のなかでゆっくり過ごせる場所をつくろう。 

テラスで寛ぐ 一般的に人は包まれた空間にいると落ち着きます。テラスやデッキは「アウトドアリビング」の必需品ですが、むき出しのままではそこでゆっくり過ごすことなどできません。周りを樹木などで上手に囲ってプライバシーを保ち、テーブルやチェア、ベンチなどで「部屋」としてゆっくりくつろぎ、憩えるしつらえをつくりましょう。 

 

5 建物との「つながり」や「機能性」にも配慮しておこう。 

室内とのつながり 庭を「部屋」として捉えた場合、連続した部屋として、建物内と の「つながり」にも気を配ることが大切です。つながりを考える場合、特に「室内からの眺め」がポイントでしょう。床材や家具、植物など使うアイテムの素材や色、意匠などに統一感を持たせることで、自然と視覚的に「つながり」がでてくるでしょう。

 また、窓外の風景がまるで「一幅の絵画」のように、「絵になる風景」をつくりましょう。そして、見る人をひきつけ、「外へ出てみたい!」と思わせることが大切です。外の空間を「意識」させることで外への心理的な「つながり」や「広がり」がでてきます。そういう意味では、外の空間(庭)の景色をつまらないものにしないことです。

 また、いざ「外に出たいな!」と思ったときに、すぐにスムースに出られることも大事です。出るのがおっくうになるようでは、次第に使われない部屋(庭)になっていきます。つながりをつくるには、見た目だけでなく、機能性や使い勝手にも配慮が必要でしょう。

     

6 庭のなかにお気に入りの風景や楽しみをつくろう。 

 庭の中に楽しみの要素があると、ついつい外の部屋に出たくなるものです。例えばお気に入りのオブジェがあったり、また好きな草花を植えたり、生き物を飼育したり、趣味を愉しむ空間にしたりすることで、自然と外の部屋にいる時間も長くなるでしょう。

 

7 広がりや深みのある空間デザインにしよう。 

奥行きや広がりをつくる植栽  見た目が単調な空間は、見飽きると興味を失いがちです。構造物だけで構成せずにできるだけ樹木を取り入れて、深みや広がり、奥行き感を演出しましょう。樹木は適材適所に効果的に用い、季節感のある植栽が良いでしょう。

 

8 効果的な照明で、安らぎ感を演出しよう。 

 昨今は、共稼ぎの家庭も多く、夜にゆっくりと庭を愉しむというライフスタイルも増えてきました。その際、照明は単に照らすという機能性だけでなく、人をひきつけるような美しく見せるライティングを心がけましょう。 

 

9 メンテナンスのしやすさも考えておこう。 

 せっかく素敵な「部屋」が出来上がっても、植物や自然素材というガーデン特有の素材を使う以上、適切なメンテナンスをしないと次第に荒れてきます。負担にならないように、欲ばって詰め込みすぎないことも大切です。 

 

10 そこでどう過ごしたいのか。目的をはっきりしておこう。 

目的を明確にする 作る目的によって「部屋」のデザインも当然変わります。「そこで何 をしたいのか」を良く考え、ライフスタイルを具現化する「部屋」、趣味や嗜好を楽しむための実用的な空間にしましょう。目的は複数あってもいいですが、優先順位をつけておいて、無理に詰め込みすぎないことが大切です。 

 

 

 すめ!「ガーデンルーム」を愉しもう! 

 デッキやテラスをさらに快適な空間に進化させたものが「ガーデンルー ム」です。 

ガーデンルーム例(TOEX) 冬の寒い日や風の強い日は閉じてサンルームとし、暖かな晴れの日や風の心地よいときには全開して開放感のあるテラスとして、自然の恵みをたっぷり受け取ることができます。日よけやスクリーン、網戸など状況に応じて さまざまに組み合わせられます。 

 年間を通じて、フルに楽しめる半戸外室(アウトドアリビング)で、内と外の空間につながりが生まれ、あなたの生活が一気に広がることでしょう。

ガーデンルーム例(TOEX) ただし、あと付けで取り付ける場合にはかえってお庭が使いにくくならないように、お庭全体の機能性や修景などを考慮し、トータルでプランニングをすることが大切です。 

 

 

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ベランダ・ガーデン プランニングのポイント

  

ベランダや屋上にも「部屋」をつくろう! 

ベランダガーデン あなたのベランダ、上手に活かせていますか? 楽しめていますか?・・・

 住宅の庭がインテリア化するなかで、ベランダや屋上の空間も「部屋」として捉えようという意識が強まっています。インテリア感覚でテーブルやイスを置き、お気に入りの植物や景色を眺めながらお茶などを楽しみたいという人が増え、こういう暮らし方が徐々に一般的になってきたようです。単なる付随的なスペースにせず、外の空間に「もうひとつの部屋」ができることで、生活に一層広がりや楽しみが増えることでしょう。 

 ただし、植物やテーブルなどをやみくもに配置してもなかなか簡単には魅力的な部屋(庭)にはなりません。また、ベランダは狭いうえに数々の制約がありますので、安易に施工すると不便な思いや余計なトラブルを抱え込みますので慎重な検討が必要です。

 ここではベランダガーデンをつくるにあたってのプランニングのポイント(予め知っておくべきこと)をいくつかお話します。

 

ベランダガーデン プランニングのポイント 

1 まず、ベランダの現状の把握しよう。

  プランニングにあたっては、まず「現場」を調査し把握する所からスタートします。

 注意しなければならないのは、ベランダというのは「特殊な空間」だということです。下記のように様々な「制約」がありますので、それに則って「部屋(庭)」をつくります。特にマンションには守らなければならないルールが多いので注意が必要です。 

 

◆ベランダの基本的構造 

1) 構造 

 ベランダの躯体構造としては「片持ち床構造」がほとんどです。構造的に弱いですから、物を設置する場合、外側に極端に集中させないようにしましょう。特に重量物には要注意です。

 また、手すりは落下防止のためのものですので、手前に物を置く場合、足がかりにならないように注意します。法的には床面から1.1m以上確保する必要があります。

ベランダの構造図

 

 2) 防水 

 防水仕様はさまざまですが、ベランダは一般的に簡易防水が多く、保護材を敷くなどの配慮が必要です。

 また、防水が弱い場所での対応としては、床面が常に湿った状態にしないことが大切です。植栽する場合にもコンテナ植栽を基本とし、安易に直接に土壌を入れてはいけません。 

 

3) 排水 

 通常、余剰水は床の水勾配に沿って「排水溝」へ流れ、「ドレイン」に集まって階下へ落ちていきます。計画にあたっては、この「水みち」を塞がないことが大切で、ゴミトラップを設けたり、点検や掃除をしやすくしておきましょう。 

 

4) 耐荷重 

 ベランダ(や屋上)では載せられる重量が限られています。

 どれだけ載せられるかは物件によって違いますので、その都度必ず確認をしましょう。法的には、最低限「床版荷重180kg/㎡以上、地震力荷重60kg/㎡以上」という建築設計上の積載荷重が定められていますので、基本的にはこの範囲内でつくることになります。これは、一番荷重のかかる部分が、180kg/㎡を超えないということと、あわせてベランダ全体の平均が60kg/㎡を超えないということです。実際計画してみると平均60kg/㎡というのは非常に少なく、一般的なガーデンの素材では簡単にオーバーしてしまいます。計画した段階で平均荷重、部分荷重をチェックし、超える場合には「軽量化」を図ったり、重いものは部分使いにするなどして調整する必要があるでしょう。また、極端な「偏荷重」や「1点荷重」も避けましょう。  

 の「荷重」の問題と、防水や排水、給水など「水」の問題が、ベランダで何かをする場合の最もネックになる要素です。

荷重の制限

 5) 利用可能なスペース 

 マンションのベランダの場合、各住人が専用で使っていますが法規上は共有スペースになっています。ですから、緊急時には避難経路になっていることが多いので、この経路は塞がないことが大切です。

 隣地との境になっている「避難用隔壁」の前には物は置かない。置いても手ですぐ押しのけられる程度のものとします。また、階下へ降りる「避難用ハッチ」がある場合にも、その上には物は置かないようにして下さい。

 また、ベランダには「物干し」スペースがある場合が多いので、できれば、ガーデニングスペースと分けるか、無理なら修景に取り込んで、違和感のないデザインを考える必要があるでしょう。 さらには、エアコンの「室外機」もあります。温風の吹出し口を塞がないことと、植物は吹出し口の前には置かないようにしましょう。

 このように、ベランダは本来、ガーデンのために作られてはいませんから、本来の機能を損ねない配慮が必要です。 

 

◆ベランダの自然環境や周辺環境

 1) 日照条件 

 植物を育てるにあたっては、日照条件(日当たり)が最も重要な要素のひとつです。日照条件によって、使える植物やその管理基準が変わってきます。ベランダは床や壁に直射日光が当たり、その照り返しにより気温が上昇し、特に夏は高温や乾燥などで植物が傷みやすいですから注意が必要です。

 まず、方位(方角)を確認しましょう。方角によって日照条件が変わりますから、使える植物も変わってくることになります。そして、たとえ同じ方角でも現場によって状況が違ってきますので、よく「観察」することが大切です(朝夕の変化、季節変化など)。よくあるのが、たとえ南向きでも日照障害で日陰であったり、あるいは逆に北向きでも空が開けていると意外と明るいところもあります。

 

2) 風当り 

 適度な風は植物に必要ですが、強すぎる風は植物を痛めますし、また物が飛散したりなどの危険が生じます。一般的には上層階ほど強いといえますが、都会などビルの密集地では下層でも強い「ビル風」が発生し、複雑な動きをすることがあります。飛散防止対策や風除け、固定方法の検討等が必要です。 

 

3) 周辺環境への配慮 

 都市部では、プライバシーの確保にも気を配る必要があります。特にマンションが立ち並んでいると外からの視線も気になりますので、ラティスや植物などで目隠しを考えます。

 また、内から見て外に見える景色はどうでしょうか? もし隠したいものがあるなら目隠しで隠し、背景として取り込みたいものがあるなら「借景」を考えます。 さらには、外からどう見えているでしょうか? 街の景観への配慮も必要で、街並みの統一感を極端に損ねないようにしましょう。 

 

◆管理規約 

 マンションではベランダはあくまで共用部分であり、マンションによって様々な制約を設けています。事前に必ず「管理規約」は確かめておきましょう。これを怠ると出来上がってから取り壊しを求められるなど、余計なトラブルを抱え込むことにもなります。

 制約の内容はマチマチですが、概ね共通することは、落下事故や緊急時に問題が生じないようにするなどの安全性への配慮が第一です。また排水詰まりや飛散防止など近隣(上下、左右)に迷惑をかけないことなどが求められています。

 ベランダはガーデンのためだけには作られていない空間ですから、ベランダの本来の機能をトータルに考えて計画をしましょう。

 

 このように、プランニングにあたっては、まず「現場の状況」をよく観察し、「ベランダの特殊性」というものを必ずよく把握、理解した上で進めるようにして下さい。

 

ベランダ・ガーデン プランニングのポイント2

 

 2 エレメントとその使い方を理解しましょう。

 

 前述の条件をクリアできれば、一般的なガーデンアイテムの多くはベランダガーデンでも使えると思います。しかしながら、現実的には「重量」の問題や、ベランダの「構造」上の制約などが厳しく、かなり限られてくるのも事実です。

 工夫やアイデアを凝らしながら、現場に応じた対応をしましょう。

 

 ◆床面の要素 

 コンクリートがむき出しでは味気ないものですし、「部屋」としての使い勝手や居心地も悪いものです。機能性、意匠性を考えて床面をうまく処理しましょう。この場合、人が歩く部分(動線)と歩かない部分(非動線)に分けて考えるとよいでしょう。

 

1) 歩行用の床材 

「デッキパネル」 

デッキパネル 今の床面素材の主流といえます。ウッドをはじめ、タイルやゴムチップ、樹脂製などさまざまな素材があります。特徴は、まず施工がカンタンなこと。連結式で誰でもできるようになっています。また脚がついていて排水性がよいので、ベランダでは都合の良いアイテムといえます。さらにはコストが安いうえ、比較的軽量で、掃除がしやすい、取り外しやすい、断熱効果がある、素足感覚で歩けるなどベランダに都合の良い特徴を兼ね備えており、非常な便利なものです。

 各メーカーから多彩な製品が出ていますのでイメージに合うものを選べますが、品質的には差が激しく、劣化の激しい商品もあるので注意が必要です。
 その他、本格的なウッドデッキ、あるいはタイル貼り、石貼りなどは条件が許せば使えますが、一般的には難しい場合が多いようです。特に重い素材は全面に敷くと荷重オーバーになりますので、「部分使い」が基本となるでしょう。

 

2) 非歩行用の床材 

 「玉砂利敷き、ウッドチップ敷き」など 

 これらで隅の隙間を埋めたり、あるいはデッキパネルの一部をはずして敷き込むという使い方が効果的でしょう。ただし、ホコリが溜まりやすいのでメンテナンスは必要です。

 

◆壁面(立面)の要素 

「トレリス、ラティス」(木製の格子) 

ラティス、トレリス ベランダでの壁面(立面)の定番アイテムです。室内から見たとき、コンクリートの手すりでは無機質で殺風景なものです。トレリスを用いることで、無機質なイメージが温かい雰囲気になり、手軽にガーデンらしい落ち着いた雰囲気が演出できます。

 使い方は、それ自体が装飾物としても使えますし、また空間を仕切ったり、目隠しに使ったり、日よけや風除けにもなります。あるいはハンギングバスケットを架けたり、ツル植物を絡ませたりといった植物の支持材・背景として使うのも効果的で、植物を立体的に見せる有効な手段といえるでしょう。 

 その他には、ネットや金属のメッシュに植物をからめたり、あるいはよしずや竹垣ボードで「和」を演出したりできます。 また、本格的なウッドフェンスやパーゴラ等は構造上難しい場合が多いようです。条件が許せば使いたいアイテムでしょう。 

 

◆植物について 

 ベランダは貴重な屋外空間ですから、ガーデンらしくできるだけ植物を取り入れてほしいものです。ただし、ベランダは本来、植物にとって過酷な環境ですので、これに耐える植物を選ぶ必要があることと、維持管理できるかどうかの検討が必要です。

 また、ベランダでは「コンテナ植栽」が基本になりますので、どうしても見せ方、飾り方に制約が生じます。でもうまくアレンジすることで「小さな庭」を作り出すことができますし、手軽に移動できるのも利点でしょう。
大型コンテナと樹木 使い方としては、できるだけ「立体的」に演出するように心がけましょう。それにはハンギングやツル植物が有効です。また、ベランダというと「草花」をイメージしがちですが、空間が単調になりやすく、メンテナンスも負担になりがちです。できるだけ「樹木」をうまく使うことをおすすめします。ガーデンらしい落ち着いた雰囲気をつくれますし、背景として、また目線を切ったり誘導したりといったさまざまな使い方ができて重宝します。メンテナンスもラクになります。 

 

◆装飾物、添景物 

 装飾物は一般的に庭のアクセントとして使ったり、フォーカルポイントとして「視線」を誘導して空間を引き締めたり、また庭の「趣き」をつくったり、あるいは庭の「メッセージ」を明確にしたりといった効果があります。

 ベランダのように狭い空間でも、装飾物をうまく使うことで、空間全体のバランスをとり、奥行きや広がりを感じさせたりできます。その際、植物をうまくからめるとより効果的でしょう。

 

 

3 ガーデンをつくる目的を明確にしておきましょう。 

◆あなたはそこで何をしたいのですか?

テラスでくつろぐ 事前にガーデンを作る目的を明確にしましょう。目的が変われば、デザインも変わってしまいます。例えば、プライベートなくつろぎの空間にしてゆっくりとお茶や食事、読書を楽しみたい!とか、庭で夜景を眺めながらお酒を楽しみたい、ハーブや菜園で収穫を楽しみたいなどなど・・・。 

 

ガーデニング これらは複数あってもよいですが、必ず「優先順位」を明確にしておきましょう。「狭い」ということの欠点は一度に多くのことを楽しめないだけで、工夫次第でさまざまな要素を盛り込むことは可能だともいわれます。でも、現実には多くの要素をすべて取り入れるのは大変なことです。ベランダという空間の特殊性や制約を考えると、やはり無理して詰め込まないことが賢明で、優先順位にしたがって取り入れていきましょう。

 

 このようにプランニングにあたっては、前述の「現場の状況(構造や環境、安全の方策等)」や「エレメント」と併せて、まずこれらをしっかりと把握しておくことが大切です。 

 ベランダにも、ぜひあなたらしい素敵なアウトドアリビングを作ってみてください!あなたの生活により一層広がりや楽しみが生まれますよ!

(もちろん、「作庭工房」にご依頼いただいても結構です。素敵な部屋づくりのお手伝いができれば幸いです。)

 

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