意外と難しい”目隠し”・・・勾配に合わせた目隠しフェンス
意外と難しい”目隠し”の度合い・・・
古い生垣をウッドフェンスに替えた事例です。
道路に沿ってカイヅカイブキの古い生垣がありました。
とても立派で風格のある生垣です。
でも、施主のお悩みは、終活に向けて管理の負担を少しでも減らしたいということでした。
カイヅカイブキの生垣は古くなるとどうしても横が大きく膨らみ、道路側へ大きくはみ出してしまって歩行者の通行の障害になりがちです。
でも針葉樹ですので強剪定ができませんし、また生垣下の側溝の掃除もやりにくく、大いに負担や気苦労があったようです。・・・
さまざまお打合せを経て、生垣はやむなく撤去することになり、代わりに目隠しのウッドフェンスを立て込むこととなりました。
ぴったり合うような既製品はありませんので創作フェンスとし、また、素材も耐久性を考えて「人工木材」の板材を使用することとなりました。
計画、施工上課題となったのが、きつい道路勾配のため「目隠し」の微妙な高さをどう設定するかということでした。
もともとあった生垣より高くならないよう、なおかつ道路から家の中が見えないよう結構シビアな高さ設定が求められました。
さらには、完全な遮蔽にするのではなく、目隠しの支障にならない範囲でフェンスの足元はできるだけ隙間を開けて解放感も欲しい・・・とのことです。
こういった「目隠し」の場合、注意すべきは人によってまた場所によって感じ方や印象が異なるということでしょう。
同じ仕様でも、人によって開放的すぎたり、逆に圧迫感を感じたりします。ましてや勾配がきついと見る位置によっても変わってきます。
場所ごとのフェンスの高さ、板の隙間、下部のスリット、柱のピッチと強度、板材の選択などなど施主と現場で確認しながら、調整しながらの施工となりました。
意匠的にはシンプルな板塀ですが、さまざま苦心した甲斐があり大変喜んでいただけました。
(garden Hana、Osaka)