小庭の再生・・・楽しめる「もうひとつの部屋」づくり。
先日、完成した小庭です。
裏庭をリフォームしたものですが、小さいながらも「ウッドデッキ」を中心に、楽しめる「もうひとつの部屋」ができあがりました。
当HPにもご提案しておりますが、「庭」を単なる外部空間として捉えるのではなく室内の延長として捉え、「もうひとつの部屋(アウトドアリビング)」としてうまくしつらえることで、生活に広がりや楽しみが増えることと思います。・・・
こちらの施主さまはガーデニングがお好きで、ご自分で好きな樹木や草花を植えたり、コンクリートのテラスには「システムデッキ」を敷き詰めたりと、自分なりの「庭づくり」を楽しまれていたようです。
しかしながら、実際には想い描くような庭づくりは意外と難しいようですね。・・・
まず、庭の中心となる「テラス」に問題がありました。
部屋とテラスの段差が大きいために出入りがしにくいのです。そんなことで、・・・と思われがちですが、実際の日常生活では隣の部屋(テラス)に出入りするのに段差の昇り降りや履物を履く面倒は意外とストレスを感じてしまうもので、次第に外へ出るのがおっくうになってしまうようです。
しかも、簡易な「システムデッキ」は経年変化による劣化で崩れだし、また、庭を囲むフェンスも「目隠し」としては問題があり、次第にこの部屋(テラス)は使いにくくて落ち着けない部屋になってしまったようです。
さらには安易に植え足してきた樹木が繁茂して全体のバランスを崩しだし、あるいは雑草がしつこくはびこってしまうなど雑然とした空間に不満をお持ちでした。・・・
「庭をもっとスッキリとしたい!もっと庭らしい楽しめるものにしたい!」という想いがつのり、当方にご相談をいただいたものです。
まず、フェンスについては「ウッドフェンス」に変えてみました。ごくシンプルな意匠ですが、これで目隠し効果を適度に高めるだけでなく、併せて庭の背景、植物の背景として庭の「趣き」を作っています。
庭の中心となる「テラス」は部屋からスムースに出入りできるように高床の「ウッドデッキ」にリフォームしました。しかも敷地形状を考慮してあえて矩形の形状とし、視覚的に動きや広がりを強調しています。
また、デッキ正面の景は部屋からの眺めに配慮して作り込んでいます。「花台」をフォーカルポイントにして華やかな植栽で包み込み、庭へ出てみたくなるようなしつらえにしています。
単に出入りしやすい、使いやすいという「機能性」だけでなく、「庭」を意識させて誘い込むしかけや、その部屋(テラス)が居心地の良い、落ち着ける空間にする演出がとても大切です。
そのあたりの「骨格」「土台」さえしっかり作っておけば、あとは施主さまの好みで自分なりの快適な「庭づくり」を展開していただけると思います。・・・
さらに、雑草に困っていた植え込み部分は、レンガの縁石で植え込み部分と動線部分を明確に分けました。
砂利の下には防草シートが敷かれていますので、雑草の管理はだいぶん楽になるかと思います。
また、レンガのラインはあえて大きな弧を描き、奥行きや広がりを強調しています。・・・
植栽については、バランスの悪い配植でしたので一部整理しながら再構成しています。
特にデッキ正面は部屋からの眺めを考慮してカラーリーフで明るく華やかにまとめるようにし、それに続く部分はご自分でガーデニングを楽しめるように余地(裸地)を残すようにしています。・・・
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このように小さな、奥行きのない裏庭の空間ですが、「もうひとつの部屋」と捉えてうまく演出することで空間のイメージが大きく変わります。
さらには、楽しめる「部屋」、快適な「部屋」がもう一部屋増えることにより実際の生活も変わり、生活にも広がりや楽しみが増えることでしょう。