お茶庭からひろがる想い(10)

顛末記(8)

いよいよ下段部分の着手です。

ポイントとしては、
・・・上段、中央部とのイメージをつなげるように、「築山」のうねりで大きな風景を描く。
・・・当初よりの構想でもあるモンゴル風「ゲルテント」の作製。
・・・ゲルテントの中には石を組んで大きな「囲炉裏」を設ける。
・・・収穫もできる「茶畑」を取り入れたい。
・・・既存の雑多な果樹林を活かせるよう、「果樹の森」として回遊路を含めて整備。
・・・ススキやパンパスグラスなどのグラス類が風に揺れるシーンを風景の中に取り入れたい。
・・・既存の大きな「コンクリート土管」の処理を含め、ゲート付近の植栽や装飾。

広場計画図

まず、いちばん苦慮したのが「ゲルテント」の作製です。
テント外側の生地は専門の業者が特注で作ってくれますが、骨組みや土台づくりは任されています。
これも「在るもの」で作る必要がありました。・・・前述したビニルハウスの骨組みパイプです。
これを32組使ってテントの骨組みを構成しますが、天井の中心に丸い換気扇(タイで加工させたもの)が付きますのでバランスよく水平に立て込むのに一苦労でした。・・・何度も何度も調整し、補強しやっとの思いで完成させました。ここには大きな囲炉裏の石組みもあり、真冬の雪景色のなか懸命に格闘したことが忘れられません。・・・
今でもよくできたものだと我ながら不思議に思え、人にも感心されてしまいます。・・・

茶畑については、当初はもう少し大きな規模でと考えていましたが、結局ひと畦のみになりました。築山と共に大きな風景を描き、子供たちに茶摘み体験をしてもらえるようにもなっています。

また、築山の裾野にはススキやパンパスグラスを植えてグラス類が風に揺れる印象的な景色をつくっています。

「果樹の森」は既存の果樹林が放置され荒れていましたので、動線(回遊路)を確保しながら整備。
ミカンやレモン、ウメ、アンズ、カキ、クリ、ブドウなど雑多な果樹類の収穫が楽しめます。
特にブドウは大きく繁茂し乱れていましたので、これもビニルハウスの骨組みを使って「あずまや風」にぶどう棚を作製。楽しげで印象的な景になりました。

ゲート付近は、立て込んだコンクリートの大きな「土管」に植栽を施し、雑然とした擁壁部分も「塗り壁」(「美ブロ」を使用。)で仕上げてみました。
下垂性の植栽をすることでとても華やかになりました。・・・

こうしてようやく・・・ようやく広場が完成です。・・・
ご協力いただいた方々に心より感謝申し上げます。

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