根系障害と間違った剪定で衰弱したハナミズキ

庭のハナミズキが枯れてきているとのご相談を受け、診断に伺いました。

確かに枯れ下がった枝があり、また大枝の樹皮が割れて心材がむき出しになっていたりします。・・・

これの原因はいきなり強剪定をしたことと、間違った枝の切り方(切る位置)にあります。

強剪定されてすでに数年経過しているようで、腐朽した部分は元には戻りません・・・。

念のため切り戻したり殺菌剤を塗布しましたが、何よりも樹勢を回復させる必要がありそうです。

庭全体を観察すると、庭一面にびっしりとコケがはびこっています。

特にハナミズキ周辺が酷く、幹にまでコケが広がっていました。ヒイラギなど他の樹木の中にはすでに枯死寸前のものも見受けられます。

コケがこれほどでるのは、やはり土壌が常に過湿であるためです。

一応、土留めの石組みがあって嵩上げされておりますので本来排水は良いはずですが、長年の経年変化で土壌が緊密化してしまい、滞水しやすい土壌になっていると思われます。結果、根づまり、根腐れ等の根系の障害につながって、樹勢の衰えになってきていると判断されます。・・・

根本的な対策としては、土壌を一部入れ替えたり、排水工事といったことも必要ですが、大がかりになりますので現時点では難しいようです。・・・

そこで庭全体にエアーバンダーを施工。圧縮空気を土壌に灌注して土壌の膨軟化を図りました。併せて樹木活力剤等を土壌に灌注しました。

 


(樹木医、樹木診断・治療、大阪)


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