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「2世帯共有の庭」・・・樹木を活かした空間づくり

昨年施工した旧家の建て替えに伴う庭園リニューアルの2期工事です。
昨年は北庭(前庭)のみでしたが、今回は南庭の作庭です。

今年、隣に娘さんご家族の住まいが新築されましたが、この庭はふたつの建物の間に共有する形で立地しており、「2世帯共有の庭」として計画しました。・・・

 
 

ふたつの建物に挟まれたこの庭は、機能的には両玄関への「動線」であり、なおかつ「2世帯共有の庭」として程よい距離感を保ちながらお互いが集い合えるスペースとして計画しました。

お互いの程よい距離感を保つツールとして、ここでは樹木を活かした空間づくりをしています。

フェンスなどで完全な仕切りや目隠しを設けるのではなく、やわらかな雑木の枝葉がほどよく目線を切ることで、チラチラと垣間見える様子が互いの一体感や安心感を生み出すような配慮をしています。遊び盛りの幼いお孫さんたちが庭で遊ぶ様子が互いの家から見えるようになっています。

 
 

庭の中央には親子2世帯が集えるオープンスペースを設けています。家族揃ってバーベキューをしたいとのことですがいろいろと多目的に使えそうです。

ここには庭のシンボルとして「大石」を据えていますが、これは解体前の母屋にあった巨大な3t越えの沓脱石を再利用したもので、庭好きだった亡き御先代の想い出の品でもあります。平らな上面を利用してベンチや縁台等としても使えるようにしています。・・・

 

庭の入口部分は娘さん宅への玄関アプローチであり、また表の店舗駐車場からのファサードを形成しています。駐車場との見切りにはラフな印象の「蛇かご」を使用して、この敷地から出た雑多な小石を詰めて仕上げています。雑木との相性もよく、印象的な修景となりました。

また「動線」には、自転車でもスムーズに通れるよう一定の幅と平滑な舗装が必要でしたので、ここでは土舗装で仕上げています。入口部分は娘さん宅への玄関アプローチを兼ね、途中で分岐した小径は樹冠をくぐりながら奥へとつなげています。

 

大石をはじめ景石、水鉢、飛石等石材のほとんどすべては元々母屋の庭にあったものの再利用です。

代々大切に受け継がれてきた家や家族の記憶が、これからも末永く続きますように・・・

使用樹種:アオダモ、ソヨゴ、ヤマボウシ、コバンモチ、イジュ、コハウチワカエデ、ヤマモモ、アズキナシ、ヤマツツジ、トキワマユミ、ワビスケ、ヒサカキ、トキワマンサク、ミツバツツジ、ブルーエンジェル、シラカシほか

(大阪・藤井寺市)


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