新築住宅のハナミズキの衰弱

樹木医:診断治療活動

個人邸  ハナミズキ

樹種名  ハナミズキ (ミズキ科)  樹高4m、枝張4m

作業種別   病害治療、樹勢回復処置

 

7年前に購入した新築の分譲住宅に当初から植栽されていたシンボルツリー。

今までは特に異常は認められなかったが、今春の展葉後、葉に黒色の病斑が目立ちはじめ、数日のあいだに全体に拡がったようです。

 

病斑は雨滴で拡散するので、感染源となる羅病した葉は丁寧にすべて除去し、集めて搬出処分をしました。さらに殺菌剤を丁寧に散布して様子をみることとしました。間隔をあけて再度散布を要しますが、病害についてはひとまず収束するものと思われます。・・・

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急に羅病した原因を探るため、念のため根系調査を行いました。

PH等化学的には特に異常は認められません。ただ、下層に粘土層があり、有効土層(客土の厚み)はわずか15cm程度しかなく、また有機分も乏しいようです。根系は下層には入らず、表面に浮き出てしまっています。

限られた土壌のなかで、根詰まりや根腐れ、あるいは表土の乾燥など、過酷な環境に晒されながらもバランスを保ってきたのものと推察されますが、天候不良などが引き金となってバランスが崩れ、衰弱が顕著に現れてきたものと思われます。

樹勢回復のために根本的な改善をはかるには、有効土層(根が伸長できる範囲)の拡張や土壌改良が望まれます。
しかしながら、有効土層の拡張は現状では大がかりとなり難しいようですので、部分的な土壌改良(完熟堆肥等の投入)により新たな発根を促すこととしました。また、土壌に樹木活力剤を高圧にて灌注し、併せて土壌の膨軟化をはかりました。

新たな宅地開発による分譲住宅の植栽は、このように客土も少なく、表面的な見栄えだけで作られていることが多いものです。

このような場合、概ね数年で樹木の衰弱が現れはじめ、枝先から枯れだしたり、このように病虫害や生理異常となって現れることもあります。

・・・樹木に異常がある場合には、土壌や根も疑ってみましょう。


(樹木医、樹木診断・治療、大阪)


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