お茶庭からひろがる想い (7)
顛末記(5)
まず広場の1期工事は上段の「外柵」づくりからはじまりました。
全体の修景を、芝生を張った「築山」のうねりによって大きな風景を表現しようという構想が決まっていましたので、境界の外柵部分にもそれを取り入れることにしました。・・・
手作り感満載の「ナナコ垣」風フェンス
ただ、ここでも問題は「在るもの」でつくるというご命題・・・
この土地にはもともと「ビニルハウス」があり、それを解体したときの古びた骨組みが沢山残されていました。
これに目をつけていたオーナーが、これを使ってゲルテント(後述)や今回の外柵を作ってほしいと早い段階で要望されていたのです・・・
しかし、ハウスの骨組みは真っ直ぐな鋼材(パイプ)ではなく、大きくカーブしたものばかりです。一見フェンスには使えそうもありません。・・・
思案の末、古来よりある竹垣の一種「ナナコ垣」のように使えるのではとの着想をもとに、これに既存の農業用ネットを張りつけ、ツル性花木を登はんさせることにしました。・・・
スパンの割り付けや固定方法、補強方法等検討後、数日で一気に作製しました。
できあがったものはいかにも手作り感満載のものになりましたが、巨大な「ナナコ垣」風フェンスもなかなか楽しげで面白いものができました。まさに既製品にはない、「在るもの」でしかできない醍醐味?かもしれませんね・・・
モッコウバラやスイカズラ、ビナンカズラ等ツル植物がうまく生い茂ればさらに楽しげな外柵になりそうです。・・・
その後、外柵まわりに築山を盛り、隣家への目隠しを兼ねた高木とツル植物を植え、芝生を張りました。
築山と一体化したナナコ垣風の外柵・・・他にはない、ちょっと風変わりな修景になりました。