アウトドアリビング・・・庭を居心地のよい「部屋」にする方法

今のガーデンの主流 「アウトドアリビング」

昨今、「アウトドアリビング」「リビングガーデン」という言葉をよく耳にします。

直訳すれば「戸外の部屋」ということですが、要するに、従来眺めることが主体であった住宅の庭を、屋外にある「もうひとつの部屋」として捉えて庭を積極的に「使っていこう!」という発想で、今のガーデンの主流になっています。
まるでインテリアが外に飛び出してきたかのように、庭も住み手のライフスタイルを表現する場に変わってきたといえます。

では、どうすれば庭を居心地のよい「もうひとつの部屋」にできるのでしょうか?

それにはまず、「インテリアの延長」という視点、そして屋外の環境やガーデンで使う資材のことを良く知ることが大切です。ガーデンならではの素材をうまく使いながら、「部屋」というひとつの空間をコーディネイトするつもりで、見え方や使い勝手、快適性などを考えながらつくってみましょう。工夫しだいで、安らぎや癒しを感じられる心地の良い「部屋」ができそうです・・・

アウトドアリビング

特に樹木の機能や特性をうまく活かすことが成功のポイントになるでしょう。

 庭を居心地のよい「部屋」にするには・・・

1 できるだけ「緑」を取り入れ、植物の「癒し効果」を活かそう。

植物には人の心身に働きかけるチカラがあります。
人は身近にある植物と日常的に触れ合うことで、「五感」は絶えず刺激を受けます。例えば、情緒を安定させたり、高揚させたり、あるいは、疲労回復の促進や集中力の向上などさまざまな効果があります。
また、実際に植物を育てる(ガーデニング)ことで、より多くの効用も得られます。
これは、園芸療法やアロマセラピーなど、実際の治療行為等にも活用されています。 五感をやさしく刺激してくれる植物たちを、求める刺激の強さを考えながら、庭のなかにうまく取り入れていきましょう。
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2 囲いや目隠しで、「落ち着ける」部屋をつくろう。


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屋外ですから、外からの視線が気になると全く落ち着かないものです。
フェンスや樹木(生垣など)を使って目隠しにしましょう。目隠しの素材や高さ、配置は、現場の状況や目隠しの程度によって変わってきます。
囲い過ぎて逆に圧迫感が出ないよう注意しましょう。

3 家周りの微気候を調整して「快適な」部屋にしよう。

植物には環境の改善効果もありますので、適材適所でうまく活用することで「部屋」の快適性を高めてくれます。 陽射しや温度、風などをコントロールしたり、マイナスイオンやフィットンチッドを発散したり、有害物質を吸着して空気を浄化したりします。
植物や構造物を効果的に用いて快適な環境整備をしましょう。
特に陽射しには高木の「落葉広葉樹」が有効です。またパーゴラなどの構造物にツル性植物をからめても良いでしょう。
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4 庭のなかでゆっくり過ごせる場所をつくろう。

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一般的に人は包まれた空間にいると落ち着きます。
まず、庭をくつろげる「部屋」にするためにテラスやデッキは「アウトドアリビング」の必需品ですが、むき出しのままではそこでゆっくり過ごすことなどできません。
周りを樹木などで上手に囲ってプライバシーを保ち、テーブルやチェア、ベンチなどで「部屋」としてゆっくりくつろぎ、憩えるしつらえをつくりましょう。

5 建物との「つながり」や「機能性」にも配慮しておこう。

庭を「部屋」として捉えた場合、連続した部屋として、建物内との「つながり」にも気を配ることが大切です。
つながりを考える場合、特に「室内からの眺め」がポイントです。床材や家具、植物など使うアイテムの素材や色、意匠などに統一感を持たせることで、自然と視覚的に「つながり」がでてくるでしょう。
また、窓外の風景がまるで「一幅の絵画」のように、「絵になる風景」をつくりましょう。 そして、見る人をひきつけ、「外へ出てみたい!」と思わせることが大切です。外の空間を「意識」させることで外への心理的な「つながり」や「広がり」がでてきます。そういう意味でも、外の空間(庭)の景色をつまらないものにしないことです。
また、いざ「外に出たいな!」と思ったときに、すぐにスムースに出られることも大事です。出るのがおっくうになるようでは、次第に使われない部屋(庭)になっていきます。つながりをつくるには、見た目だけでなく、機能性や使い勝手にも配慮が必要でしょう。
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6 庭のなかにお気に入りの風景や楽しみをつくろう。

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庭の中に楽しみの要素があると、ついつい外の部屋に出たくなるものです。
例えばお気に入りのオブジェがあったり、また好きな草花を植えたり、生き物を飼育したり、趣味を愉しむ空間にしたりすることで、自然と外の部屋にいる時間も長くなるでしょう。

7 広がりや深みのある空間デザインにしよう。

見た目が単調な空間は、見飽きると興味を失いがちです。
構造物だけで構成せずにできるだけ樹木を取り入れて、深みや広がり、奥行き感を演出しましょう。
樹木は適材適所に効果的に用い、季節感のある植栽が良いでしょう。

8 効果的な照明で、安らぎ感を演出しよう。

昨今は、共稼ぎの家庭も多く、夜にゆっくりと庭を愉しむというライフスタイルも増えてきました。
その際、照明は単に照らすという機能性だけでなく、人をひきつけるような美しく見せるライティングを心がけましょう

9 メンテナンスのしやすさも考えておこう。

せっかく素敵な「部屋」が出来上がっても、植物や自然素材というガーデン特有の素材を使う以上、適切なメンテナンスをしないと次第に荒れてきます。
負担にならないように、欲ばって詰め込みすぎないことも大切です。

10 そこでどう過ごしたいのか。目的をはっきりしておこう。


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作る目的によって「部屋」のデザインも当然変わります。
「そこで何をしたいのか」を良く考え、ライフスタイルを具現化する「部屋」、趣味や嗜好を楽しむための実用的な空間にしましょう。目的は複数あってもいいですが、優先順位をつけておいて、無理に詰め込みすぎないことが大切です。

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