ベランダや屋上にもリビング感覚で癒しの庭づくり(その2)

ベランダガーデン

工夫次第で楽しめるベランダガーデン(つづき)

~ ベランダガーデン プランニングのポイント(つづき) ~ 

2 資材とその使い方を理解しましょう。

前述の条件をクリアできれば、一般的なガーデンアイテムの多くはベランダガーデンでも使えると思います。しかしながら、現実的には「重量」の問題や、ベランダの「構造」上の制約などが厳しく、かなり限られてくるのも事実です。
工夫やアイデアを凝らしながら、現場に応じた対応をしましょう。

  床面の要素

床がコンクリートがむき出しでは味気ないものですし、「部屋」としての使い勝手や居心地も悪いものです。機能性、意匠性を考えて床面をうまく処理しましょう。
この場合、人が歩く部分(動線)と歩かない部分(非動線)に分けて考えるとよいでしょう。

1) 歩行用の床材

「デッキパネル」

今の床面素材の主流といえます。
ウッドをはじめ、タイルやゴムチップ、樹脂製などさまざまな素材があります。特徴は、まず施工がカンタンなこと。連結式で誰でもできるようになっています。また脚がついていて排水性がよいので、ベランダでは都合の良いアイテムといえます。さらにはコストが安いうえ、比較的軽量で、掃除がしやすい、取り外しやすい、断熱効果がある、素足感覚で歩けるなどベランダに都合の良い特徴を兼ね備えており、非常な便利なものです

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各メーカーから多彩な製品が出ていますのでイメージに合うものを選べますが、品質的には差が激しく、劣化の激しい商品もあるので注意が必要です。
その他、本格的なウッドデッキ、あるいはタイル貼り、石貼りなどは条件が許せば使えますが、一般的には難しい場合が多いようです。特に重い素材は全面に敷くと荷重オーバーになりますので、部分使いが基本となるでしょう。

2) 非歩行用の床材

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「玉砂利敷き、ウッドチップ敷き」など
これらで隅の隙間を埋めたり、あるいはデッキパネルの一部をはずして敷き込むという使い方が効果的でしょう。

  壁面(立面)の要素

「トレリス、ラティス」

ベランダでの壁面(立面)の定番アイテムです。
室内から見たとき、コンクリートの手すりでは無機質で殺風景なものです。トレリスを用いることで、無機質なイメージが温かい雰囲気になり、手軽にガーデンらしい落ち着いた雰囲気が演出できます。

ベランダガーデン
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使い方は、それ自体が装飾物としても使えますし、また空間を仕切ったり、目隠しに使ったり、日よけや風除けにもなります。あるいはハンギングバスケットを架けたり、ツル植物を絡ませたりといった植物の支持材・背景として使うのも効果的で、植物を立体的に見せる有効な手段といえるでしょう。
その他には、ネットや金属のメッシュに植物をからめたり、あるいはよしずや竹垣ボードで「和」を演出したりできます。
また、本格的なウッドフェンスやパーゴラ等は構造上難しい場合が多いようです。条件が許せば使いたいアイテムでしょう。

  植物について

ベランダは貴重な屋外空間ですから、ガーデンらしくできるだけ植物を取り入れてほしいものです。
ただし、ベランダは本来、植物にとっては過酷な環境ですので、これに耐える植物を選ぶ必要があることと、維持管理できるかどうかの検討が必要です。(ドリップ式の自動潅水装置もあります。必要に応じて検討してみましょう。)

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また、ベランダでは「コンテナ植栽」が基本になりますので、どうしても見せ方、飾り方に制約が生じます。でもうまくアレンジすることで「小さな庭」を作り出すことができますし、手軽に移動できるのも利点でしょう。
植物の使い方としては、できるだけ「立体的」に演出するように心がけましょう。ハンギングやツル植物が有効です。
また、ベランダというと「草花」をイメージしがちですが、空間が単調になりやすく、メンテナンスも負担になりがちです。できるだけ「樹木」をうまく使うことをおすすめします。ガーデンらしい落ち着いた雰囲気をつくれますし、背景として、また目線を切ったり誘導したりといったさまざまな使い方ができて重宝します。メンテナンスもラクになります。

  装飾物、添景物

装飾物は一般的に庭のアクセントとして使ったり、フォーカルポイントとして「視線」を誘導して空間を引き締めたり、また庭の「趣き」をつくったり、あるいは庭の「メッセージ」を明確にしたりといった効果があります。

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ベランダのように狭い空間でも、装飾物をうまく使うことで、空間全体のバランスをとり、奥行きや広がりを感じさせたりできます。またその際、植物をうまくからめるとより効果的でしょう。


 

あなたはそこで何をしたいですか?

ガーデンを作る前に、「そこで何をしたいか?」を明確にしておきましょう。目的が変われば、デザインも変わってしまいます。

例えば、プライベートなくつろぎの空間にしてゆっくりとお茶や読書を楽しみたい!とか、庭で夜景を眺めながらお酒を楽しみたい、ハーブや菜園で収穫を楽しみたいなどなど・・・。

狭い空間でも工夫次第でさまざまな要素を盛り込めますが、現実的には大変なことです。ベランダという空間の特殊性や制約を考えると、やはり無理して詰め込まないことが賢明で、優先順位を決めて取り入れていきましょう。

このようにプランニングにあたっては、前述の「現場の状況(構造や環境、安全の対策等)」や「使える資材」と併せて、まずこれらをしっかりと把握しておくことが大切です。・・・

 

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ベランダやバルコニー、屋上にも、あなたらしい素敵な「アウトドアリビング」を作ってみてください!
あなたの生活に一層広がりや楽しみが生まれますよ!

 
 

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