小さな庭のプランニング4(敷地境界の活用)
敷地境界の活用
敷地境界は隣地との間にブロック塀やフェンスなどで囲まれていることが多く、そこはデッドスペースになっていたり、無機質で殺風景にもなりがちです。それが窓越しに目立つ場所であったり、その味気ない風景が気になるようでしたら「庭」として活かす方法を考えて見ましょう。
プランニングのポイント
1) 窓越しに観賞する庭は、窓枠を絵画の額縁に見立てて「絵になる風景」にするのが理想的ですし、インテリアともコーディネイトすることで、内と外で空間につながりや広がりが生まれます。
たとえ植え込めるスペースがわずかでも1本の樹木を植えられれば広がりや趣きある「風景」をつくれるかと思います。
この場合、「背景」をしっかりつくることがポイントで、もし隠したいものがあれば目隠しも考えましょう。
2) 植栽スペースが少ないようでしたら、境界の「壁面」も「庭」の一部として捉えて「ウォールガーデン」として活かす方法を考えてみましょう。
例えば、ブロック塀の表面に木材や竹材、塗料などで化粧してリメイクしたり、あるいはフェンスに「ツル植物」をからませると無機質なものがやわらかな趣きのある表情に変わります。
そこに、お気に入りのオブジェを吊るしたり、照明にこだわったり、小さな壁泉を取り付けたり・・・壁だけでも立派な「庭」はつくれるのです。
3) 通路も庭になります。 狭い敷地でも、建物まわりには勝手口や裏へまわるための通路スペースがあるかと思います。これを単なる通路だけにせず、「通路庭」として演出してみましょう。
飛石や敷石、化粧砂利を敷いたり、下草を添えるだけでも見違えるようになります。
また、雑木類であれば頭上に枝葉が広がりますので動線としての機能性を損なわずに樹木を植えることができるかもしれません。
▲ デッドスペースの修景事例
4) 道路側にも使われていないデッドスペースはないでしょうか?例えば段差のある敷地の場合、道路側に法面(斜面)が残って使われないままになっている、あるいは芝生を張っているだけの場合も多いかと思います。法面の勾配にもよりますが、土壌が崩れないよう配慮しながら例えばロックガーデン風にグラウンドカバーや樹木を植栽できる場合があります。
(小さな庭づくり、大阪)