植えられない、庭つくれない!悪条件の場所でも諦めないで。
植栽できないような悪条件の場所では・・・
他の素材で考えてみましょう。
家まわりの狭い空地は植栽に適さないような場所が意外と多いものです。・・・
例えば、一日中暗い日陰であったり、日当たりは良くても床が舗装されていて植栽ができない、庇や屋根が大きくて雨水がかからない、あるいはこれらの悪条件が複合したような場所などです。
そういった場所では無理に植栽をせずに、その他の素材を使って作庭してみてはどうでしょうか。
和風の「枯山水」や洋風の「ドライガーデン」をイメージして、アート作品を創作するような気持ちで自由に発想を膨らませてみましょう。植物以外にも庭に使える素材は実に多様です。・・・砂利や石材(自然石、加工石)、タイルやレンガ、陶器、木材、竹材、アルミやアイアン、ガラス、鏡、オブジェなど、さまざまな素材、アイテムが使えます。・・・うまくまとめればそれもまた素敵な「庭」になるはずです! (ドライガーデンの一例)
さらには「水景」や「照明」をうまく取り込むことで潤いのある憩いの空間がつくれます。 小型の噴水や滝は簡易な循環式のものもあるので水の動きや水音が手軽に楽しめるでしょう。これに間接照明もうまく取り入れてみれば、夜にも楽しめる演出ができるでしょう。
コンテナ植栽(鉢植え)も効果的です。
どうしても植栽を取り入れたいときはコンテナ植栽(鉢植え)の利用が効果的です。
ただ、植物が健全に生育しないような暗い日陰では、単に鉢植えを置くだけでは問題は解決しません。・・・ そこで、移動できるという鉢植えの利点を生かし、例えば季節に応じたいくつかの植物を鉢植えで用意しておいて、日陰で観賞する植物と日なたの別の場所で養生する植物をローテーションで差し替えていくようにします。商業用のディスプレイなどでも使われる手法で、こうすればどんなに暗い片隅もいつも鮮やかなグリーンで飾ることができるでしょう。なお、この場合もできるだけ日陰を好む植物を使うほうが長持ちし、差し替え頻度を下げられるかと思います。
また、日当たりが良くても床が舗装されていて植栽できないような場所でもコンテナ植栽は大変有効です。
庭のスタイルやイメージに合わせて、コンテナ(鉢)の素材や大きさ、形状、組み合わせ、配置等を検討してみましょう。コンテナ植栽だけでも素敵な庭(コンテナガーデン)は作れるのです。
また、この場合コンテナ以外にも本格的な庭づくりができる方法があります。・・・いわゆる屋上庭園の植栽手法を活用するのです。
▲ 屋上庭園(人工地盤緑化)の基本構造
▲ 人工地盤(舗装)上での植栽事例。
屋上庭園をはじめ人工地盤緑化の基本的な構造は、経年変化しにくい「土壌」(屋上庭園用の人工土壌)、これらの土壌がこぼれないように囲む「土留め」、余水が速やかに流出する「排水層と排水経路」で構築されます。・・・ 植えるものに応じた土厚さえ確保できれば、どんな植栽でもできるでしょう。
また、屋根などで雨水がかからない場所では、植栽はできてもその後の水管理が適切にできないと植物を枯らせてしまいます。
日常の水管理に不安がある場合には自動灌水装置(灌水タイマー)の設置を検討してみましょう。自動灌水装置は万能ではないので頼りきりにはできませんが、家庭用でも高性能なものがあるようですので有効な選択肢のひとつといえるでしょう。
▲点滴式チューブによる灌水。
雑草対策と修景を兼ねる・・・
また、いつのまにか雑草が生えて困るようなところでしたら、「砂利敷き」にするのがもっとも簡単で安価な方法です。ポイントは砂利の下に「防草シート」を敷いておくことです。土の上に直接砂利を敷き込むと雑草がはびこりますし、砂利の中に生えた雑草を抜くのは意外と面倒で負担のかかる作業になってしまいます。またシートを敷いておくと砂利が土に沈み込まないという利点もありますのでローメンテナンスでいつまでも綺麗な砂利敷きを保てるでしょう。
さらには、砂利だけでは単調に感じる場合には、何種類かの色違いの砂利で模様をつけて敷き込んでもよいかもしれません。ローメンテでしかも視覚的に楽しめる庭になりそうです。・・・
(小さな庭づくり、大阪)