雑木を使った小庭の演出
新築間もない住宅で作庭をさせていただきました。
庭はアプローチ脇の前庭部分と、ウッドデッキのある奥の主庭部分の2か所に分かれます。
まず、施主が懸念されていたのが前庭での排水不良でした。道路に面した前庭部分は見た目にはきれいな山土が敷き込まれているのですが、排水性が悪く、少し雨が降ると水溜りができるような状況でこのまま植栽するには不安がありました。
そこで、まず下層の粘土層を撤去し、暗渠排水を設けることから作庭がはじまりました。・・・
前庭部分はアプローチや居室、道路、車椅子スロープなどで四方を完全に囲まれており、特殊な立地にありました。こういった空間は見せ方に工夫が必要なのですが、道路とはさいわい大きな段差がありましたので、居室とアプローチからの眺めをメインに構成しました。
居室の窓越しやアプローチからは小さなステージ(舞台)のようにも見える空間で、目どまりとなるフォーカルポイントを中心に木々でやわらかく囲い込んで、どこかの自然風景を切り取ってきたかのような「見せる庭」を目指しました。
意匠的には大きめの雑木類と下草、敷石・敷きレンガのテラス、テラコッタ壺などで、ディテールにこだわった広がりを感じる印象的な空間にしています。
また、奥の主庭部分は中央にウッドデッキがありましたので、周りにレンガを積んで花壇を作り、宿根草を中心に四季折々にお花を楽しめるようにしています。
お花が好きなお施主で、大変悦んでいただけました。